「食」がテーマのイベントのカタカナと小難しい解説で分かりにくい内容を解読してみる


HITSPAPERというクリエーター系のウェブマガジンが企画しているイベントに「NIT」というものがあります。
そのvol.8として「食」をテーマにトークセッションが行われるのですが、そのイベントの説明がカタカナと小難しい言い回しの連続で、一体何が言いたいのか解りづらいので、自分なりに噛み砕いて解読を試みました。


イベント内容の説明と解説の詳細は以下から。




■NIT tokyo vol.8 "キッチンを料理する


イベントの開催日時は、2011年3月28日(月)20:00〜。
場所は、東京都渋谷区神南1-14-3 1F。
チケット料金が、3,000円(税込)※フード(軽食)・1ドリンク込み。
定員は、40名。
ゲストに、食に携わるプロデューサーという肩書きの方々と、料理家の小田真規子さんの名前があります。この方は、NHKきょうの料理 ビギナーズ」の料理監修をされていて、番組内で"近所の小田さん"というアニメキャラクターとしても登場されています。


ここまでは、なんとなく「食」に関するイベントであることと、概要は分かるのですが、問題はこの先のテーマとトークセッションの解説です。(以下引用)

今回のテーマは「食」。

「食」は、私達の生活に密接に関わる身体の源でありますが、この日常的な「食」を媒介にして多くの学びと実践の場でもあると思います。
私達が日常的に情報を入手して咀嚼して知識として吸収、アイデアが産み出されるように、「食」も体内に取り込んでエネルギーへと変換され生命エネルギーとして消費・循環されます。
また、フィジカルという側面だけでなく、メンタルや教育、文化、そして、社会的問題まで様々な領域にも影響を及ぼしており、現代を読み解く恰好の素材であり、各々の舞台へのハブでありエントランスでもあると思います。


カタカナこそ少ないですが、解説が小難し過ぎて少々解りにくいので、極力解りやすく関西弁で言い換えてみたいと思います。


食べるって、大事なことやで。なんせ食べていかな生きていけへんし、それに、お店にご飯食べ行ったり自分で料理したりって、楽しいしいろいろ勉強にもなるしね。

ウチらが仕事する時とか遊びに行く時なんかに、テレビで見た事とかネットで調べた事をネタにするみたいに、食べ物って体を動かすために無くてはならないもんやけど、食事とか料理とかって体のためだけじゃなくて、精神的にも大事なんちゃうかな。「食」に関係する仕事や話題もいっぱいあるし、世の中「食」で繋がってる部分や「食」で始まる事って結構あると思うわ。


といった感じでしょうか。


次は、イベントのメインであるトークセッションの解説です。(以下引用)

トークセッション 「キッチンを料理する」

『料理は自然から文化への移行を示すだけでなく、料理により、料理を通して、人間の条件すべての属性を含めて定義されていて、議論の余地なくもっとも自然であると考えられる。』
人類学者 クロード・レヴィ=ストロース


今回、「キッチンを料理する」と銘打ったのは、キッチンが家庭における情報や物資の集積場でありエントランスであり、食のインフラ、またはコミニケーションの場であると考えたからです。
「食」をテーマに考えた時、その「食」のあらゆるシステムを形成、または、経由する一つの場として「キッチン」をメタファー化させています。
このキッチンをどのように解釈するか(料理するか)は非常に面白いテーマだと思います。

また、世界という俯瞰した視点を持てば、フェア・トレードの考え方、国内に目を向ければ、地産地消、また生産者と料理人の結び付き、アート・デザインとのシンクロなど、私達の旗手となってイノベーティブな発想への道を提示してきたのが『食』の産業と謂えるかもしれません。

このセッションを通じて、『食文化』を創るインフラ・人からロールモデルを発見して、各々の業界にインテグレート出来るような良いアイデアや生きる活力が産まれれば幸いです。


もう難しいカタカナが多くてサッパリです。
冒頭の人類学者のセリフはいいとして、その後の部分を極力やわらかくしてみましょう。


今回のお題を「台所を料理する」にしたのは、自分ちのなかで食材を置いといたり、今日何作ろうかなーって考えたり、実際に調理したりする場所が台所で、そこは家族の集まる場でもある。
その「食」に必要もんが集まる場としての「台所」を、いろいろな事に置き換えて例え話をしていきたいと思うてます。この台所をどのようにとらえるか、つまり料理するかは、めっちゃおもろいお題やと思います。

それに、人と地球にやさしい貿易のしくみの考え方とか、地産地消とか、生産者と料理人の結び付きなどなど、「食」って案外いつの時代も新しい仕組みや考え方を取り入れて成り立ってるもんやと思います。

昔は京都の街でも加茂のおばちゃん言うて、農家のおばちゃんが粋な手ぬぐいを頭にかぶって、野菜を荷台に積んで直接売りにきたはったもんやで。今考えたらあれほど人と地球にやさしい、地産地消なもんはないんちゃうやろか。

この催しを通じて、『食文化』を創っているいろいろな事や人から、お手本にできることを発見してもらって、おもろい考えや生きる元気を出せてもらえたら幸いです。


加茂のおばちゃんのくだりは勝手に加筆しましたが、全体的にはそんなに異なっていないと思います。


こういう小難しい解説をしているという事は、トークセッションの内容自体がそういう雰囲気なのであろうと想像できますが、それはそれで参加するのもまた一興ではないでしょうか。



■NIT tokyo vol.8 "キッチンを料理する