津波による水産被害状況<岩手,宮城,福島では壊滅的被害>

東北地方太平洋沖地震によって発生した津波は、三陸沖沿岸の水産業にも甚大な被害をもたらしています。
地震の発生から3週間が経ちましたが、いまだにその被害の全容は把握できていません。

昨日の段階で判明している水産被害状況の詳細は以下から。


■水産庁:平成23年(2011)東北地方太平洋沖地震の被害状況<平成23年3月30日(水)17:00現在> PDFファイル

  • 漁船の被害状況(被災漁船数)
    • 北海道 (根釧、日振勝、道南):703隻(全16,293隻中)
    • 青森県:441隻(全6,990隻中)
    • 岩手県:壊滅的被害(全10,522隻中)
    • 宮城県:壊滅的被害(全9,717隻中)
    • 福島県:855隻(全1,068隻中)
    • 茨城県:249隻(全1,215隻中)
    • 千葉県:258隻(全5,640隻中)
  • 漁港施設の被害状況(漁港数/被害総額)
    • 北海道:20漁港(全282漁港中)/265百万円
    • 青森県:17漁港(全92漁港中)/2,680百万円
    • 岩手県:ほぼ全漁港で壊滅的な被害(全111漁港中)/58,861百万円
    • 宮城県:ほぼ全漁港で壊滅的な被害(全142漁港中)/調査中
    • 福島県:全漁港で壊滅的な被害(全10漁港中)/調査中
    • 茨城県:15漁港(全24漁港中)/40,889百万円
    • 千葉県:10漁港(全69漁港中)/1,111百万円
  • 市場・荷さばき所被害状況(市場数)
    • 北海道 (根釧、日振勝、道南):10ヶ所程度(全52カ所中)
    • 青森県:2~3ヶ所程度(全7カ所中)
    • 岩手県:すべて被災 大半は壊滅的被害(全13カ所中)宮古・久慈・大船渡は建屋は無事
    • 宮城県:すべて被災 いずれも壊滅的な被害と推測/詳細不明(全10カ所中)
    • 福島県:すべて被災 軽微被害1、半壊4、建屋・機器の流出5、原発避難地区2(全12カ所)
    • 茨城県:大半が被災 再開1(波崎)、全壊2、水没1、浸水3、不明3(全9カ所中)
    • 千葉県:軽微な被害(全2カ所)


カツオやマグロ、フカヒレをとるサメ類で国内屈指の水揚げを誇る気仙沼は市街地の大半が流されており、復旧には相当の時間がかかる見込みです。石巻イワシ青森県の八戸はサバなどの水揚げが多く、三陸沖はわかめの大産地でもあります。2009年の統計によると、全国のわかめの養殖総数606百t中480百t、およそ80%が今回の津波で特に被害の激しい岩手県宮城県の漁港で水揚げされています。漁船や漁港だけではなく、気仙沼湾内では養殖施設が全滅していることも確認されており、水産物が品薄になるのは避けられそうもなく、今後の食卓への影響が懸念されます。