マラソン大会前後の食事は、糖分×タンパク質×酢で効率よく

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今年で6回目を迎える東京マラソンや来月3月11日に開催される京都マラソンなど、各地で盛んに行われているマラソン大会ですが、ミツカンがジョギングの栄養補給に関する調査を実施し、ジョギング愛好家の実情や、管理栄養士で健康運動指導士でもある小島美和子さんによるマラソン大会に向けた理想的な食事の摂り方など、ランナーに有益なレポートがアップされています。

詳細は以下から。


■【ミツカン情報ファイル 107号】東京マラソン直前!食事調整のポイント‐ジョギングの栄養補給に関する調査‐

この調査は関東圏及び近畿圏に住む、週に一回以上ジョギングをしている男女416名を対象に、ジョギング時の栄養補給に関して行われたものです。
ジョギングを始めたきっかけとして、「健康維持のため」「運動不足を感じて」「ダイエットのため」などの、健康を気遣った理由が男女ともに上位で、特に女性は「美容のため」という答えも多く、何らかの目的意識をもって走っている人が多いようです。

そのなかで、6割の人がジョギング中に何も飲まないと答えていますが、小島美和子先生の「情報あらかると」によると、30分程度のジョギングであれば直前の水分補給で事足りますが、それ以上走る時にはこまめな給水が必要で、特に1時間以上走る場合は、スポーツドリンクなどで糖分やミネラル類の補給も必要だそうです。

糖分はジョギングのエネルギー源として欠かせないものですが、体内に貯蔵できる量はわずかで、前回の食事から5時間以上経って走る場合は、補給する必要があります。ジョギングの2時間以上前であれば、ごはんなどゆっくり吸収されるものを、1時間程度しかない時はバナナやゼリー飲料などを、直前なら糖分を含む飲料で補給しましょう。


また、ジョギングを行うにあたり教えてほしいこと、という質問に対して、「疲れを取る方法」が2番目に多かった回答でしたが、小島美和子先生の解説によると、ジョギング後の疲労回復には、走った後に「糖分(炭水化物)」→「たんぱく質」の順で速やかに摂取することがポイントだそうです。これは、糖分(炭水化物)を先に補給することで、たんぱく質を効率的に筋肉の回復へ充てることができるから。また「お酢」は、体へのグリコーゲン(糖分)の吸収を助けるため同時に摂ることがおススメ。

大会に向けた食事の調整としては、本番1週間前から前日にかけて炭水化物を3食きちんと摂取し、間食もバナナやパンなどに。しかし、炭水化物ばかり過剰に摂取すると体重が無駄に増加し走りにくくなるので、初心者は注意が必要です。

以下は大会当日〜レース後の食事について、小島美和子先生からのアドバイスです。
これからジョギングを始めようと思っている人や、マラソン初心者の方々には参考になるのでないでしょうか。

■当日の朝〜スタート前
フルマラソンを3時間くらいで走る人は、スタート3時間前までに食事を済ませておきます。炭水化物を中心に摂取していくことになりますが、レース前は緊張などで食欲がなくなりがちなので、コンディションに合わせて普段から食べ慣れたものを無理せず摂るのが良いでしょう。無理をしたり、慣れないものを食べたりすると、逆に体調を崩してしまいます。食事に関しても、当日をイメージして事前にトレーニング(シミュレーション)することが重要です。
5時間以上で走る人は、ゴール時間から逆算して7時間くらい前を目安に食事をとり、可能であれば直前にもバナナなどを食べると良いのですが、難しい場合は無理をせず、あとはレース中のこまめな補給を心掛けましょう。

【朝食は「納豆ごはん」「卵かけごはん」】
朝は炭水化物が枯渇状態のため、摂取しないと体温が上がりませんし、たんぱく質はエネルギーに変える際に熱を発するので、この2つの栄養素は朝食に欠かせません。また、脂質の比率が高いと体温の上昇を抑えてしまうので、パンよりごはんが好ましいです。これらを鑑みると、「納豆ごはん」と「卵かけごはん」は、炭水化物とたんぱく質を効率よく摂取できる優れものなのです。


■レース中
フルマラソンを3時間くらいで走る人であれば、水分のみの補給でも大丈夫です。ミネラルウォーターなどの水に加え、糖分の入ったスポーツドリンクなどを、その時の状況に合わせて摂るのが良いでしょう。その際、カロリーや糖質を抑えた機能性飲料は充分な栄養補給にならないので、注意が必要です。
5時間以上で走る人は給食も必要です。ただし、走りながら食べるのは想像以上に難しいので、事前に試しておくと良いかもしれません。また、一度に食べると胃腸への負担がかかるため、こまめに少量ずつ食べるのがポイントです。


■レース後
レース後は、速やかに栄養を補給する必要があります。「糖質」、「たんぱく質」、糖分の吸収を早める「お酢」、この 3つが理想の組み合わせです。これらをどのように摂取するかは、例えば体が食べ物を受け付けない場合、まずは飲み物で摂り、その後、胃腸の回復度合いを考慮しながら食事で補うなど、その時の体の状態に合わせることが重要です。また、アルコールの大量摂取はビタミンを消耗し、疲れが残る原因にもなるので、いつもより控えめにしましょう。

【レース後は「鍋」「お酢ドリンク」】
レース後は内臓が弱っているため、その日の夕食は胃腸に負担のかからないものが好ましく、焼き肉やかつ丼など脂質の多いものは控えた方が良いでしょう。炭水化物は食べやすいものでかまいませんが、パスタは調理にオイルを多く使用するので、あまりオススメできません。「鍋」は、魚や鶏肉などのたんぱく質や野菜が効率よく摂れ、〆のうどんやおじやなどで炭水化物もとれるという点で優れています。寄せ鍋や水炊きをぽん酢で食べるようなあっさり味の鍋なら、レース後食欲がなくても食べられるのではないでしょうか。
また、レース直後に食べ物がのどを通らないような時には「お酢ドリンク」がオススメです。