きのこPRサイト「きのこレシピの森」


石川県産特用林産物PR事務局が、キノコをはじめとした県産特用林産物のPR活動としてオフィシャルサイト「きのこレシピの森」を開設し、キノコの紹介やレシピを募集しています。秋の味覚の定番食材ですが、様々な栽培方法で今では年中手に入れることができます。その栄養価の高さは皆さん既にご承知かもしれませんが、改めて見てみましょう。
キノコの栄養のお話やレシピ募集内容は以下から。

■きのこの森レシピ

「きのこレシピの森」では、PCや携帯を使って消費者から寄せられるレシピを中心に展開されていますが、きのこのお話としてその美味しさの秘密がザッと紹介されています。

  • 驚くほどの万能ぶり。キノコの美味しさの秘密とは。

昔の人は、キノコには山の精気が詰まっていると信じており、山の神からの贈り物の御馳走として食べ続けてきた。キノコを食せば身体に良いということを昔の人は経験的に知っていたようだ。現代になると、キノコの栄養が科学的に解明されたが、キノコには信じられないくらい多くの栄養素が詰まっていることに改めて驚かされる。ざっと挙げてみると、糖尿病や動脈硬化の予防・改善をするビタミンB群やガンを予防するビタミンD2、ミネラルなど。しかし、何といっても食物繊維が豊富なことが最大のポイントに挙げられるだろう。食物繊維は、便秘予防に効果を発揮することが良く知られているが、動脈硬化の予防改善にも有効である上、キノコの食物繊維に含まれるβ-グルカンという成分は、身体の免役力を高めて生活習慣病の予防につなげるとともに、腫瘍を抑制することにも効果的だという。ちなみに、日本食品成分表によると、乾シイタケの食物繊維の含有率が40%強という高さを誇っており、乾燥重量あたりに換算すると、ダイコンやネギよりもはるかに多いとか。もう一つのポイントであるミネラルのうち、キノコ にはカリウムが多いことが知られている。カリウムは、塩分の過剰な摂取を抑えてくれる効果があり、塩分の摂り過ぎは腎臓の働きを低下させ、むくんだり高血圧を悪化させてしまうことも。付け加えると、タンパク質や脂質が多く、低カロリーであることがキノコの特徴として挙げられる。


また、その栄養について。

いくら栄養が豊富にあったとしても、美味しくなければ意味がない。その点、キノコはまずいキノコを探すのが難しいぐらい、どのキノコも美味しいものばかり。それにどんな調理に合う守備範囲の広さも魅力の一つ。そもそも、キノコの美味さの秘密は、旨味成分にあると言われている。旨味の三大成分と言えば、昆布のグルタミン酸と鰹節のイノシン酸、そして、もう一つがキノコに多くを含むグアニル酸だ。シイタケと昆布で出汁を取ると、非常に美味しくなるのは、グアニル酸グルタミン酸と混ぜると数十倍に旨味が強くなるため。そのグアニル酸の量を増やしたいと思うならば、調理時に60℃から70℃の温度を与えることが大切だとか。と言うのも、グアニル酸を分解する酵素が先の温度で大部分が壊れるためで、例えば、乾シイタケの水戻しでは旨味成分を減少させないために冷蔵庫で必要最小限行うことが、ちょっとしたポイントになる。


上記の解説では少し分かりにくいかもしれません。
乾シイタケに関してですが、栄養価や美味しさを最大限に生かす戻し方とその理由を箇条書きで簡単におさらいしておきましょう。

  1. もともとある成分"リボ核酸"が熱を加えると酵素の働きで旨味成分である"グアニル酸"になり、さらに加熱で別の酵素が働き、非旨味成分である"グアノシン"になります。要するに、熱を加えれば加えるほど美味しさが逃げていくのです。
  2. それぞれの酵素が働く温度は35℃〜70℃。それ以上の温度だと酵素は働きません。
  3. 乾燥段階である程度の"リボ核酸"が、旨味成分である"グアニル酸"に変わっています。家庭で戻す前の乾シイタケには"リボ核酸"も"グアニル酸"も両方含まれています。
  4. 戻す段階で熱湯や常温の水を使用すると、"リボ核酸"→"グアニル酸"→"グアノシン"という変化が起こり、どんどん美味しさが逃げていきます。
  5. すでに含まれている旨味成分である"グアニル酸"を損なわずに、変化前の"リボ核酸"も変化させずに温存しておき、調理段階での加熱によって一気に"グアニル酸"へと変化させることで、旨味を十分に生かせるのです。

ですので、乾シイタケは低温の水にひたひたに漬けて戻しましょう、ということになります。また"リボ核酸"は低温では増加するらしく約5時間でその増加量は横ばいになるので、冷蔵庫で5時間以上かけて戻すのがベスト。
また、乾シイタケに日光を当てるとエリゴステロールという成分がビタミンDへと変化していき、最終的には約10倍にも増えるそうですので、時間に余裕がある方は是非。


「きのこレシピの森」ではキノコレシピを募集していますがサイト開設からまだ時間が経っていないからか、投稿されたレシピは本日(12月14日)の時点で30点足らずでした。レシピ投稿者の中から月間優秀レシピを選出し1万円分の商品券が贈られるほか、来年3月までに集まった全レシピの中から最優秀作を選び3万円分の旅行券を贈られるそうです。応募は同サイト内のフォームで、食材の分量や手順を簡単に入力できるようになっているので、投稿者が増える前に応募してみてはどうでしょう。
最終締切りは2011年3月15日。月毎に選考。

余談ですが、同サイトでは"きのこのこ"として「のとたけくん」「ヒラ子ちゃん」「マイけるくん」「ナメオ」「エノっち」というオリジナルキャラクターが設定されているのですが、「ナメオ」のキャラがあまりにも哀れな設定で、いないでしょうが実際に「ナメオ」という名前の人がいたら激怒しそうな内容になっています。ネーミングからしてなんとかならないものでしょうか。
■きのこレシピの森/きのこのこ紹介